2025年10月31日

ふるさと納税ポイント付与禁止まであと1年、自治体と事業者の対応急ぐ

ふるさと納税ポイント付与禁止まであと1年、自治体と事業者の対応急ぐ

2026年10月に実施予定のふるさと納税におけるポイント付与禁止まで残り1年となり、自治体や返礼品事業者の対応が本格化している。総務省が2024年10月に発表した新ルールでは、寄付額に応じたポイント付与を全面的に禁止し、返礼品の直接提供のみを認める方針だ。

楽天ふるさと納税やふるなびなど大手ポータルサイトは、独自ポイントの付与停止に向けたシステム改修を進めている。楽天は「楽天ポイント」の付与率を段階的に引き下げる方針を示し、2026年9月末までに完全停止する計画だ。

一方、自治体側も対応に追われている。静岡県浜松市の担当者は「ポイント付与が寄付の大きなインセンティブだっただけに、寄付額の減少が懸念される。返礼品の魅力を高めることで対応したい」と話す。

返礼品事業者も商品開発を強化している。農産物加工大手のJAグループは「ポイント目当てではなく、返礼品そのものの価値で選ばれる商品開発が急務」として、地域限定品や希少品の拡充を進めている。

業界関係者は「ポイント付与禁止により、一時的に市場が縮小する可能性はあるが、本来の『地域支援』という制度趣旨に立ち返る良い機会になる」と前向きに捉えている。今後1年間で、業界全体の構造転換が進むと見られる。

情報提供元: 日本経済新聞
著者: 経済部記者
元記事: 日本経済新聞

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